週末は幼稚園の親子参観でした。
5歳の長女は幼稚園の年長さん。来年からは小学生です。これまでみんなと仲良く幼稚園ライフを過ごしてきたと思いますが、教室ではかなり消極的です。家ではうるさいくらいだし、幼稚園の遊びの時間は友達と騒がしくしているようですが、この3年間の親子参観で見る限り、教室で歌ったり踊ったり、先生の質問に元気に手を挙げたり等は全くダメのようです。まあ、いわゆる内弁慶ってやつですね。
ところで、毎年、親子参観の最後には恒例、父親による絵本読み聞かせがあります。
そして今回、光栄なことに僕にお声がかかりました。昨年、一昨年と他のパパが絵本の読み聞かせをやっているのを聞いていて、一度やってみたかったんですよね。参観の数週間前に担任の先生からお願いされて、即、引き受けました。
本来、恥ずかしがり屋の娘同様、僕も人前に出ることは決して得意ではありません。ただ、子どもたちの前で絵本を読むくらいなら、緊張することもないだろうとタカをくくっていました。自分の子どもたちには毎晩絵本を読んであげていますので、僕の読み聞かせに幼稚園の子どもたちがどんなリアクションをしてくれるかも興味あります。
なお、今回読み聞かせに使う本について、奥さんが図書館で大型絵本なるものを借りてきてくれました。これはかなりインパクトありそうです。おそらく僕の絵本を読む技術とは関係なく、この大型絵本が登場するだけで、子どもたちは食いついてくるでしょう。かなり有利な状況で、父親の絵本読み聞かせに挑む準備ができました。
さて、当日です。
ちなみにうちの奥さんは元国語教師で、人前に出ることが苦手ではありません。僕が緊張して喋れなくなったら助けてねと、奥さんに冗談を言いつつ本番を迎えました(もちろんそんなことあるわけないと自信満々でした笑)。
親子参観もいよいよ最後の父親による読み聞かせです。
先生から紹介されて子どもたちの前に立ちます。僕が持っている、絵本が入った箱に子どもたちは興味深々です。大型絵本は細長く、高さはちょうど園児の背丈と同じくらいです。箱から大型絵本を取り出すと、子どもたちは大喜び。子どもたちの興奮がこちらに伝わってきます。予想どおり、つかみはオーケーです。
「みなさん、○○のパパです。今日はよろしくお願いします」と元気よく挨拶。絵本を読み始めようとすると、担任の先生が椅子を勧めてくれます。本当は立って読むつもりでしたが、せっかく先生が椅子をくれたので、その小さい椅子に座って読み始めました。
ところが・・・子ども相手とはいえ、普段人前に立つことはほぼない僕です。不覚にも緊張しているのが自分でわかります。あれれ? こんなに余裕がなくなるものか・・・。でも、その緊張を悟られぬよう絵本を読み続けます。
子どもたちひとりひとりの様子を見て、子どもたちに声をかけ、臨機応変に冗談でも言いながら絵本を読む自分を想像していましたが、本番はまったく違いました。大きな声で読むことだけは心がけて読みましたが、臨機応変なあれこれは全くできませんでした。大型絵本のおかげで子どもたちは大いに喜んで聞いてくれていましたが、僕の読み聞かせのテクニックによるプラスアルファは全くありませんでした。僕的には完全なる敗北でした・・・。
無難に父親の読み聞かせは終了しました。
幾人かの保護者から、あたたかいお褒めの言葉もいただきましたが、もっともっと子どもたちを魅了することを目論んでいたので、後悔しかありません。奥さんに感想を聞くと「まああんなもんでしょ。素人だし」の一言。悔しくて仕方ありません。「あんまり上手すぎてもみんな困るよ。子どもたちは絵本に喜んでたし、パパの読み聞かせには誰も期待してなかったから大丈夫よ」容赦なく奥さんの言葉は続きます。ぐぬぬ・・・。
さらに、読み聞かせを始める前に先生が差し出してくれた小さな椅子。奥さんによれば、あれは僕が座るためではなく、子どもたちにもっと絵本がよく見えるよう、絵本を載せるための椅子だったとのこと。それを気づかすに自分が座って読み聞かせを始めてしまったようです・・・。
人前で堂々とスピーチできるには慣れです。余裕があれば冗談のひとつも出てくるでしょう。場数を踏めばこういう能力が上がることはわかっています。でも、生まれつきの性格で、まったく緊張もせず、人前であれこれできる人もいます。うちの奥さんも人前に立ってもほとんど緊張しない人です。
たぶん多くの日本人は、まわりの空気を読んだり、あれこれ気を使い過ぎて、緊張するタイプの人が多いと思います。むしろ、緊張しない人というのは、そういった配慮のない人かもしれません・・・などと、奥さんに対してイジワルを言いたくなったことは、内緒です。
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