いよいよ「令和」が始まりました。
ゴールデンウイーク10連休中は、多少なりとも、時代の節目感を感じながら過ごしていましたが、今やすっかり変わらぬ日常に戻った気がします。
さて、新元号が「令和」に決まって、真っ先に思ったのが、「令」の書き方問題です。
数年前、息子の名前を一生懸命考えていた時、この「令和」の「令」を含む「玲」という漢字を使いたくてちょっと悩みました。
検索すると、すでに沢山のニュース記事がヒットしますが、この「令」には少し悩ましい問題があります。そう、明朝系の書き方と、教科書書体系の書き方が違うという問題です。
下画像、左が明朝、右が教科書の書体です。
ふつう手書きの場合、大半の人が右側のように「マ」を使って書くと思いますが、印刷物だと大半は左側のように「刀」っぽい方で表記されています。「令和」という新元号が決まった際、学校では教科書体で教わるのに、印刷物のは「令」と表記されるので、多くの子どもたちが混乱するのではないかと危惧されました。
新元号「令和」の「令」の字形が異なる場合があるとして、一部で困惑の声が漏れている。印刷物や新聞の表記の「令」と、学校や習字などで習う一番上の部首の「ひとやね」の下に点を打ち、下部分が「マ」のように書く場合などだ。文化庁国語課は「いずれも同じ文字だ」としている。
(中略)
文化庁によると、小学4年時に授業で教わるのは「マ」の方で、教科書にもそう書いている。習字もこの場合が多い。
一方、印刷物では「令」の字とするのが一般的で新聞もこれを使う。官公庁や金融機関などで「マ」の方と書くと、「令」に書き直すように指示されることもあったという。
(中略)
文化審議会の国語文化会漢字小委員会でも、かつてこうした字形の違いを議論したことがあった。ただ平成28年にまとめた指針では「印刷物と手書きの習慣による違いで、問題にする必要はない」とされた。
このため、多様な書き方が混在し続けている。文化庁は「意味や由来に違いはない。漢字の骨組みが同じであれば、どれを使ってもいい」としている。
そう、結論は「どちらでもいい」んです。
とはいえ、もし元号が「令和」とならなかったら、この問題は注目されませんでした。僕の子どもが大きくなり、役所での申請、入試、免許の更新など、いろんな場面で、自分はどちらの字を書けばいいか、毎回、少し悩んだかもしれません。運悪く融通のきかない窓口担当と出会えば、印刷物通りじゃないと受け付けないなど、無駄な労力を使うこともあるのではないかと心配していました。
実際に、子どもの出生届を提出した時、担当者とこの問題について話題になり、「基本的にどちらでもいいが、場合によっては戸籍とまったく同じ書体じゃないといけない言われることもあるかもしれない」、と聞きました。
でも、もう大丈夫です。「令和」のおかげでこの問題が広く認知され、窓口でわずらわしいことになることは、おそらくなくなるでしょう。多くの人がこの問題を認識し、これからも定期的に話題にのぼることと思われます。
よかった。よかった。「令和」という元号が決まって、僕が最初に考えたのはこのことでした。
しかし、一緒に名前を考えたにも関わらず、うちの奥さんはこの件についてあまり気にしていなかったようで・・・元国語教師のくせになんだかなあ、と僕が奥さんに対して思ったことは内緒です。笑
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